・肩関節不安定症とは?
 肩関節周囲の軟部組織が緩くなり、肩関節が不安定になる疾患です。
肩関節の周囲には関節包、靭帯、関節辰などの組織があり、関節を安定化させています。
痛みの出かたは、肩が抜けそうになる感じ、肩の痛み、肩こりが生じやすくなり、反復性肩関節脱臼との鑑別が必要になります。
女性に多いですが、関節が柔らかい方なら男性にも多く見られ、多くは両肩に症状がでてきます。
不安定性が高度になると自分で脱臼できるようになってしまうこともあります。

・症状
 肩が抜けるような感覚を感じることがあり、通常は同時に痛みも伴います。ボールを投げる時や体の後ろに手を伸ばす、重たい荷物を持つなど、特定の活動や腕の位置で発生します。
腕や肩の可動域の減少、関節腫脹がみられることもあります。

・原因
元々の肩関節の緩さ、すなわち関節包や関節包靭帯のゆるみが原因とされています。腱板筋群の機能不全や肩甲骨の下方回旋も原因となります。転倒、スポーツでのけが、交通事故などの外傷は動揺方を増悪させる原因となります。全身の関節緩くなる基礎疾患が背景にあることがあります。

・検査
・後方の不安定性:骨頭にストレスを加えたとき、骨頭が関節窩を乗り越える場合を陽性とする。
・前方の不安定性:厚い三角筋の後部の線維を通して触れるため、判断が難しい。
・ゼロポジション時の肩関節の回旋の可動域の増加:非外傷性不安定症の場合、平均で93.1°となり、同年齢層の肩回旋可動域の72.7°よりも増大すると報告されています。

・肩関節不安定症の保存治療
肩関節の外傷性脱臼後であれば、安静が重要です。三角巾やアームスリングを使用します。また、疼痛の改善のために鎮痛薬、外用剤を使用します。

外傷性、被害小生の不安定症のいずれであっても、リハビリが中心的な治療となります。肩甲骨の可動性の再獲得、肩甲骨の下方回旋を改善させるための肩甲胸郭関節のバランス運動訓練、腱板機能の改善訓練が大切です。肩関節が緩いままだと、不安定性た易脱臼性が改善しません。